『羊と鋼の森』宮下奈都(文春文庫)


本屋大賞受賞作品。

牧野千穂さんの描く表紙に惹かれ、以前から気になっていました。

好きなミュージシャンの方が「とても良かった」とおすすめしていたので、読もう!と決めました。


新人ピアノ調律師の青年外村が、さまざまな出会いや交流を通して成長を重ねていく物語。

彼は「自分には何もない」とずっと思い続けているけれど、身の周りで見聞きしたあらゆることを吸収して、イメージを紡いで、自分の言葉にかえて、糧にしていくことができる、まっさらだけどとても魅力的な人だと思いました。

自分の才能や技量、これまで歩んできた人生経験に不安を感じながらも一歩一歩前に進もうとしている外村。悩める様子がどこか自分自身と重なる部分もあり・・・。職場の先輩たちをはじめ、登場人物ひとりひとりがみんな魅力的で、終盤はこの物語が終わってしまうのがとても寂しくなりました。


北海道の山の集落で生まれ育った外村の原風景ー

感情の揺れ動きとともに風が吹き、木々が色づいていくような心情描写がとても瑞々しく美しい。

出会えて良かった、と思えた本でした。読後に感じたあたたかい余韻を大切にしたいです。


昨年、山﨑賢人さん主演で映画化もされましたね。気になるなあ。見ようかな。

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