『ハリネズミの願い』トーン・テレヘン/長山さき(新潮社)


自分に自信がないハリネズミ。ほかの動物たちを家に招待しようと、手紙を書こうとするけれど、なかなか出す勇気が出なくて…。

かわいい表紙に惹かれて手にとりました。
ちょっぴり切なくてほのぼのした児童書、

……かと思ったのに!全然ほのぼのしてない!!

ハリネズミの頭の中で、いろんな動物たちのうれしくない訪問が次々に展開されていきます。
もてなしを喜んでもらえなかったり、ろくでもない振る舞いをされたり、理不尽な怒られ方をしたり、家を破壊されたり…ネガティブすぎる妄想がどんどん膨らんで、結局なかなか手紙を出せずじまい。
本当はぼくは誰とも会いたくないんだ、、と殻に(ハリに?)閉じこもるハリネズミを見てるとなんだかひたすら辛くなってきます。

「自分が誘って本当に楽しんでもらえるかな?」とか、「本当はぼくと遊びたくないんじゃないかな」とか、実生活でもあるあるな不安。勝手に自分の中だけで妄想して、勝手に寂しくなって。
ハリネズミくんに共感を覚えたり、大丈夫だよって応援したくなったり、そんなに考えすぎないでいいのにと悲しくなったり。

読んでる間はずっと辛かったのに、最後まで読み終わったらこの作者の他の本も読んでみたくなりました。そんな不思議な魅力のある一冊です。
ちょっと哲学的で、大人のための童話。

1ページあるかないかくらいの短い章が50以上も続くという、なんだか特徴的な構成の本だなと思ってたんですが、あとがきによるともともと週めくりカレンダーに添える文章だったようで、納得。
週が変わるたびに新しい物語を楽しめるというのは素敵ですね。
もれなくほぼずっとネガティブだけど…。笑

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